第4回定例会一般質問  
                         
 

(1)区の財政構造の将来展望について

(2)新台東病院等整備について

(3)監査結果の公表について

(4)美術団体の展覧会会場の移転について

(5)地籍調査について

(6)ドックランについて

       
 
   

(1)区の財政構造の将来展望について

区民クラブの皆様の了解を得て区長に質問いたします。

まず、最初に、区の財政構造の将来展望についてお伺いいたします。

区の一般会計当初予算の規模は、この10年間、800億円〜900億円台で推移してきました。

平成18年度 一般会計当初予算は、878億円で、対前年度比 28億円、3.3パーセント 増の積極的予算を編成しました。

バブル経済崩壊後しばらくの間、予算編成においては、財政調整基金を取り崩し、数十億円の規模で、基金繰入金として、歳入予算に組み入れることが常態化し、財政に対する大きな危機感がありました。

しかし、平成18年度の当初予算では、総額878億円のうち、財政調整基金を取り崩し、基金繰入金として、歳入予算に組み入れた額は 163万1千円にまで縮小しました。

このことは、財政健全化のために、平成12年度から始めた財政健全推進計画の取り組みの成果と言えるでしょう。

しかしこの間、年度ごとに、事務事業評価、行政評価により、事務事業の精査を行ない、廃止すべきものは廃止し、統合等により効率性も高めてきました。

その結果、17年度決算において、財政の健全性の指標となる「実質収支比率」「経常収支比率」「実質公債費比率」「財政力指数」等の数値は、いずれも適正水準の範囲に収まりましたが、ここ数年来の財政の健全化に関する取り組みは、いわば、財政の効率的執行を柱とする「守りの行政」の成果であったと、私は評価しています。

現状の、財政を取り巻く環境を見ますと、「三位一体の改革」による財政構造の変化や都区財政調整制度の主要5課題の今後の展開など、決して楽観できる状況ではないと思います。

さらには、先般、東京都と特別区区長会とが23区の再編の検討を開始することで合意しました。

このように、財政はおろか、基礎的自治体の基盤についても、不透明かつ不確実な状況が今しばらく続くものと考えられます。

こうした状況を前提としながらも、本区の財政力の向上は、行政運営の円滑化と存在価値を高めることに重要な意義があります。

そのために、私は、主要な一般財源の一つである特別区民税の構成比の比率を高めることが、いま、改めて必要だと考えます。

私が、特別区民税に注目するのは、この税が所得を前提に課税される点であります。

特別区民税は、ピークであった平成4年度には、約240億円の納税額がありました。

その後、漸減し、平成11年度から17年度の間は、120億円前後で推移しています。歳入総額に占める割合も14パーセント程度です。この構成比は、23区の中でも低いグループに入ります。

私は、この構成比を当面の目標として、23区の平均より上位にするよう取り組むべきであると考えます。

その理由の一つは、区の自主財源のさらなる確保にあります。自主財源が豊かになれば、子育て支援における医療費の無料化のように他自治体に先駆けた先駆的事業に積極的に取り組むことが可能となります。二つ目の理由は、先程も申し上げましたように、この税が所得を前提にしている点にあります。所得が増えることにより、一般的には可処分所得も増えます。この可処分所得が地域内での物品購入や飲食等の各種消費経済に回ることにより、地域経済がうるおい、活性化されることを期待するものであります。さらに、三つ目の理由は、23区再編における本区の優位性の確保や、自主独立路線への道も考えられるのです。

特別区民税を増加させることは、言うは易く行なうはがたしで、課題が山積していることは、承知していますし、区が長年、地場産業をはじめとする産業振興や商店街振興等に精力的に取り組んできたことも承知しています。

しかし、こんな話もありました。

平成18年度の特別区民税の予算額は、128億4千万円で、対前年度比9億2千万円の増となっています。その増額要因の一つとして、某マンション1棟が建設されたことにより、入居者への課税額が約1億4千万円になったそうです。

私の記憶するところでは、この某マンションは、区が積極的に誘致した訳ではありません。市場経済活動の結果として区内に建設されたのであります。

私は、単に、こうしたマンションを区内に多く誘致すべき、と申し上げるつもりではありません。

特別区民税は、主要な一般財源であり、自主財源であるとともに、区の基幹的財源であります。

私は、この特別区民税を如何に増加させるか、という「攻めの行政」を展開すべき時期にきていると考えます。

いまこそ、特別区民税の歳入予算における構成比を高めるという、区の財政構造の変貌を目ざすべき「とき」です。

そして、より体力のある財政構造に変革することにより、当面の区政運営の円滑化を図るとともに、来るべき23区再編における、本区の優位性や、自主独立路線を確保すべきであると思いますが、区長の財政構造の将来性展望について所見をお伺いいたします。

 

[区長答弁]

 

木下議員のご質問にお答えいたします。

ご質問の第一は、区の財政構造の将来展望についてでございます。

区の主要な一般財源である特別区民税につきましては、税制改正などにより、

平成17年度決算において、前年度比約4億円の増収となり、財政の健全性を高めることができたと考えております。

しかしながら、中小企業の集積する台東区におきましては、その多くが、未だ、

景気回復を実感できる状況には至っておりません。

また、三位一体の改革による財政構造の

変化など、区の財政は依然としてさまざまな課題を抱えており、将来にわたり、決して

楽観できる状況にはないと認識いたしております。

議員ご指摘のとおり、特別区民税を増加させるためには「攻めの行政」を展開していくことが、極めて重要であると認識しております。

そのためには、産業や文化、観光の振興を始め、健康・医療の充実、子育て支援など、幅広い分野の施策を、積極的に展開していくことで、だれもが満足する、魅力あるまちづくりを推進し、区全体の活性化を図っていくことが重要でございます。

こうした取組みを通して、区の財政力をより高めて参ります。


(2)新台東病院等整備について

新台東病院整備についてお伺いいたします。

23区で初めての区立病院である「新台東病院」の建設工事が、今年の9月から始まりました。

平成8年3月に都立台東病院が休止してから実に10年。地元の皆様にとっては、長年の願いである新台東病院が、建設工事開始という新たな段階を向かえ、その姿をようやく実現できるようになったのです。

私も、平成15年から約2年間、「新台東病院等整備推進協議会」のメンバーとして、病院建設の基本となる会議に出席し、病院の基本的なコンセプトについて、喧々諤々と論議していたことを思い起こせば、「ようやく、ここまで来たのか」という安堵の気持ちと、「これからが本当の本番だ」という、まだまだ安心できない気持ちが混在しています。

ハードという側面から見ると、工事が始まったことにより、あとは、近隣住民の声をしんしに受け止め、すみやかに、かつ安全第一で対応していただき、一日でも早く粛々と工事を進めていただきたいと思います。

しかし、単にハードができたということだけで、満足するわけにはいきません。

新しい台東病院の存在そのものが、区民の安心の「源」となるためには、区民のための病院としてのソフトが、きちんと組み込まれてこそ、初めて区立病院としての存在価値を持つのだと思います。

「区民のためのソフト」とは、すなわち平成16年度に策定された「基本計画」の実現であります。

この「基本計画」には、病院建設の基本理念をはじめ、病院運営の方針、小児初期救急の対応、在宅生活支援のための取り組みなど、さまざまな内容が定めてあり、これは運営事業者である地域医療振興協会と、区民との大切な約束事であります。

私は、平成18年第1回定例会の一般質問で、「医療制度改革などの環境変化を踏まえ、区民との約束である基本計画の内容を検証し、どのように実現していくか、地域医療振興協会と話し合うべきである」と主張いたしました。

その時、区長は、「運営事業者とさまざまな工夫を行いながら、計画内容を確実に実施する」と、力強い答弁をいだだきましたが、「話し合い」に関しては明確な答弁がなかったように思います。

私は、建設工事が開始された今こそ、「区民のためのソフト」について、運営事業者と真剣な議論しなければならない時期にさしかかっているのだと考えています。いわば、建物に「魂」を吹き込んでいくための大切な時を向かえたのです。

そこで、基本計画の具現化について、現在、「地域医療振興協会」と、どのような、「話し合い」がなされているか、また、その現況についてお聞かせください。先ほども申しましたが、基本計画は区民との約束事です。当然100%実行していただき、それ以上のものがなくてはなりません。

どのような項目を、どのような手順で、どのようなサイクルで検討しているのか、具体的にお答えください。

 

次に「区民のためのソフト」の一つである「療養病床」についてお尋ねいたします。

新台東病院のベット数は全部で120床ですが、その7割の80床が、「療養病床」です。

基本計画策定の際に、高齢者の慢性疾患に対応する病院という位置づけから、介護保険が使える「介護型」の療養病床を選択した事を記憶しています。その療養病床が、今般の医療制度改革で大きく変わろうとしています。

医療費の抑制という命題のもとに、全国に38万床ある療養病床を、平成23年度までの6年間をかけて、6割減らした15万床にするという国の計画です。

しかも、新台東病院が予定している「介護型」の療養病床は、すべて廃止し、医療保険が適用される「医療型」の療養病床だけにするというものです。

さらに、今年の7月からは、療養病床の診療報酬が改定され、医療の必要性の低い患者、すなわち、「社会的入院」の場合の報酬が、約3割も引き下げられ、病院経営に大きな影響を与えることになりました。

このような状況を踏まえ、新台東病院の、「療養病床」については、今後、見直しをしていかなければならないと思います。

新台東病院の開設予定は現段階では、21年4月です。

このまま、計画どおり介護型の療養病床でいくのか、それとも介護型ではなく、「医療型」の療養病床に変えていくのか。

さらに、運営事業者側に立てば、病院の経営面から、収益性の高い一般病床に変更したいという申し出が、地域医療振興協会からあるかもしれません。

しかし、新台東病院は、患者が安心して在宅復帰できることを目指し、さらに高齢者の在宅生活を支えるという先駆的な理念のもとに整備する施設です。

療養病床は、その実現のために、そして区民の「安心」のために、絶対必要な「区民のためのソフト」であると考えます。

現在、国や東京都では、療養病床の再編成に関して、受け皿づくりを含めた計画の検討をしているのか、お聞かせください。

また、新台東病院の理念を守るためにも、今から、東京都に働きかけて、新台東病院に、医療型の療養病床を確保すべきだと思いますが、区長の所見をお聞かせください。

 

「区長答弁」

ご質問の第二は、新台東病院についてでございます。

まず、基本計画の具現化についてでございます。

運営事業者である地域医療振興協会とは、基本計画で定めた内容を確実に実施するため、定期的に協議を重ねております。現在は、安定的な経営基盤の確立のため、医療制度改革を見据えた病床のあり方や、診療報酬改定を踏まえた収支計画などについて、運営事業者からの提案を基に協議を行っているところでございます。

今後は、高齢者の在宅生活支援など、基本理念に沿った具体的なサービスの提供について、精力的に検討を進めて参ります。

次に、療養病床の確保についてでございます。

私も、高齢者の慢性期医療を担う拠点病院として整備する新台東病院には、療養病床が不可欠であると認識しております。現在、国では、療養病床の再編に伴う受け皿づくりを含め、地域におけるケア体制を計画的に整備するため、今年度中に「地域ケア整備指針」を策定する予定でございます。

この指針を踏まえ、東京都では、来年の秋頃までに整備構想を策定し、その後、療養病床数の目標値を定めることとなっております。

今後とも、国の動向に十分に注意しながら、新台東病院に医療型の療養病床を確保できるよう、東京都に強く働きかけて参ります

 

 

(3)監査結果の公表について

 近年、地方分権が推進される中で、自治体自らが自主性・自立性を拡大させていくことが求められております。

 しかしながら、夕張市で起きた不適正な事務処理による財政破たんをはじめ、岐阜県、長崎県、福島県、和歌山県等の自治体経営をめぐる問題は後をたたず、適正なチェックを怠れば、結果的に住民が不利益を受けるとともに、行政に対する信頼を失ってしまうことにもなりかねません。

このことから、地方自治法でも平成3年の行政監査権能や平成9年の外部監査制度の導入など、この数年にわたり監査制度の見直しが行われ、チェック体制の充実が図られてきたところであります。

 それでは、監査委員は自治体のチェックを具体的にどのように行っているのでしょうか。

その第一は「一般監査」であります。これまでは主に区の財務に関する事務の執行等について、その適法性・妥当性を監査する「財務監査」が行われておりました。しかし、チェック機能の強化を図る観点から、昨年からは財務面からの合規性監査に加え、財務を含む区の事務全般について効率性等を監査する「行政監査」も行われるようになりました。

その第二は「特別監査」であります。これは主に住民をはじめ、議会、区長から監査委員へ個別の事案について監査を要求するものであり、住民の直接請求に基づく監査や、議会の請求に基づく監査、区長の要求に基づく監査、財政援助団体等に関する監査、住民監査請求などがあります。

住民監査請求は、ここ数年請求事例があり、一部とはいえ地方自治への関心が高まっている証左と考えております。

その他、毎年1回の決算審査や、毎月、出納機関の現金の出納、保管の状況を確認する検査が行われております。

監査委員は、以上のような様々な監査を行った結果、議会並びに区長に監査の結果を報告し、公表しております。

そして、監査で非違が発見され改善を求められた案件については、区長や行政委員会はこの監査の結果に基づき措置を講じなければならず、それを公表することによって、区政運営の適正化に寄与するものであると考えています。

これらのように様々な監査を実施しているにもかかわらず、私はこれまで区民に対する情報提供が充分ではなかったように感じています。

監査委員は、区の様々な情報提供手段を通じて、区民に積極的な監査結果等の情報開示を行うことが、区政運営のさらなる透明性、適正性を確保することにつながると思いますが、そのことに対する考えを伺います。

「区長答弁」

ご質問の第三は、監査結果の公表についてでございます。

監査委員の役割は、地方分権の推進に伴い、自治体自らのチェック機能を強化するため、ますます高まってきていると認識いたしております。

そのような中で監査委員は、財務事務が適正に行われているか、また事務事業が合理的に行われているかなど、様々な視点から検証し、その結果については、議会と私に報告いただくとともに公表し、あわせてホームページにも掲載されているところでございます。

議員ご指摘のとおり、監査結果を、区民へより積極的に情報提供することは、行政運営の透明性を高めるとともに、区民の区政に対する理解を深めるためにも必要であると考えております。

監査委員からは、監査結果の表記について、区民にとってわかりやすくなるよう、新たに予備監査の結果を加えるなどの工夫をするとともに、ホームページの充実等を図っていきたいと伺っているところでございます。

 

 

(4)美術団体の展覧会会場の移転について

先般、上野の森の「東京都美術館」で、毎年開催されている美術団体の展覧会の一部が、来年から、六本木にオープンする「国立新美術館」に会場を移転して行なわれる、という報道がありました。

私は、その記事を見て、大きなショックと不安を感じました。

毎年、秋の風が吹き始める頃になると、「芸術の秋」「美術の秋」という言葉とともに、東京国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、上野の森美術館、東京藝術大学美術館、さらに東京文化会館、東京藝術大学奏楽堂など、といった日本はおろか世界屈指の文化施設の集積地である上野の山で、「上野の山文化ゾーンフェスティバル」の一環として、数多くの美術展や音楽会が開催され、私たち区民は、その恩恵を受けております。

こうした文化や芸術・美術の有数の施設を擁する上野の山は、日本の文化・芸術の代名詞であり、浅草と並んで、わが台東区の代名詞でもあります。

その上野の山にある「東京都美術館」で開催されている美術団体の展覧会の会場移転は、こうした文化・芸術における位置の相対的な低下につながるのではないか、と危惧するものであります。

現在、「東京都美術館」で開催されている美術団体の展覧会で六本木の「国立新美術館」に会場を移転する予定の団体は、「日展」や「国画会」など30団体を超えると聞いています。

特に「日展」は、前身の文部省美術展覧会の時代から数えれば99年間、現在の「日展」になってからも37年、上野を拠点に展覧会を開いてきた、国内最大の美術団体展であります。こうした歴史ある美術団体の展覧会が上野から離れていくことは、残念でなりません。

そして、これら移転を予定している美術団体主催の美術展には、毎年、5〜60万人の入場者があったといわれています。

上野の山の主な美術館の入場者数は、年間500数10万人といわれていますので、単純に計算すると、一割程度の入場場者の減少が見込まれることになります。

そこで、まず、「日展」等、現在「東京都美術館」で開催されている美術団体の展覧会会場の六本木移転による影響について、区長のどのような見解をお持ちか、お伺いいたします。

さらに、「国立新美術館」が開館する六本木には、平成15年に「森美術館」が開館しています。そして、来年の「国立新美術館」の開館の直後には、防衛庁跡地の再開発で生れる「東京ミッドタウン」に「サントリー美術館」も移転するとのことです。

そして、この3館は、「六本木アート・トライアングル」と名づけた連携を計画しています。

また、「国立新美術館」で平成19年度に団体展を計画しているのは、都美術館からの移転組を含め、約70団体あり、団体展だけで100万人近い入場者がある、と推計されており、団体展と企画展を合わせると、年間約150万人の入場者が見込まれます。その上、3館では、約300万人の入場者を集めるといわれています。

入場者数においては、当面、上野の美術館等の方が勝るとは思いますが、六本木は新鮮さ等から、しばらくは脚光を浴び、勢いを持つものと考えられます。

上野には、歴史と伝統がありますが、六本木の新鮮さと勢いが脅威になりはしないかと、心配いたしております。

地域間競争の時代とはいわれて久しいのですが、美術団体の展覧会会場の六本木移転は、文化・芸術の分野での地域間競争の始まりになるのではないでしょうか。

本区は、東京国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、上野の森美術館、さらに美術館を擁する東京芸術大学等と協力して、「上野の山文化ゾーン連絡協議会」を組織し、上野から多くの文化・芸術の発信をして、この分野において大いに寄与してきました。また、「上野」という地名のイメージアップを図り、上野の山下に集積する商店街をはじめとする地域経済の振興にも、長年にわたって力を注いできました。

JR上野駅の西側道路の歩道整備など、ハード面の改善にも努めてきました。

「上野」は、本区にとって非常に大きな財産であることは云うまでもありません。

私は、その財産価値の相対的な低下を来たさないような取り組みが必要であると考えます。

そのためには、外に向かって、今まで以上に、上野をアピールして、「上野」というブランドの価値を高めることが求められると思いますが、区長のお考えをお聞かせください。

 

「区長答弁」

 

ご質問の第四は、美術団体の展覧会会場の移転についてでございます。

まず、現状の認識についてでございます。東京都美術館で開催している公募展の団体が、国立新美術館へ移転することにつきましては、私も、大変残念に思っているところでございます。しかしながら、東京国立博物館や国立西洋美術館、東京藝術大学など、一つの地域に芸術、学術、研究施設がこれほど集積する場所は、世界においても上野の山にしかございません。私は、上野の文化芸術に占める位置は、決して低下するものではない、と確信しております。次に、これからの施策展開についてでございます。私は、この度のことを契機に、これまで以上に、「上野の山文化ゾーン」が一丸となって、文化芸術の発展に取り組んでいくことが、重要であると考えております。東京国立博物館をはじめとする各文化施設は、独立行政法人化に伴い、企画展や情報発信の充実、入館者へのサービスの向上に努めております。また、東京都では、東京都美術館の改修等を検討するために、資生堂名誉会長の福原義春氏を座長とする「都立文化施設のあり方検討会」を設置しております。私も委員として参加しており、東京都美術館のリニューアルにあたっては、上野の魅力をさらに高める美術館となるよう、意見を申し上げているところでございます。区といたしましても、国、都、そして地域の皆様との連携をより一層強化し、「上野の山文化ゾーン」の魅力を高め、国内はもとより、世界へ発信していく施策を実施して参ります。

 

 

(5)地籍調査について

台東区の、街づくりの基本になる、地籍調査についてお聞きします。

我が国における土地に関する記録の約半分は、明治時代の地租改正によって作られた地図(公図)をもとにしたもので、土地の境界が不明確であったり、測量も不正確であったりするため、土地の実態を正確に把握することができません。

 限りある国土の有効活用・保全のためには、土地の実態を正確に把握する地籍調査を実施する必要があります。
  地籍調査とは、土地の所有権等を公示するために、人為的に分けた区画の土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図及び簿冊に作成することをいいます。
地籍調査により作成された「地籍簿」と「地籍図」は、その写しが登記所に送付され、登記所において地籍簿をもとに土地登記簿が書き改められ、地籍図が不動産登記法第17条の地図として備え付けられます。
  地籍調査の成果は、個人の土地取引から公的機関による地域の整備まで、およそ土地に関するあらゆる行為のための基礎データとなるものです。

そこで、地籍調査等の国土調査は、平成11年度末まで、国土調査促進と区別措置法に基づき第4次国土調査事業十箇年計画(平成2年度〜11年度)に従い、実施されてきました。

計画期間終了時の平成11年度末の地質調査の進捗状況は、全国の調査対象面積に対して、43%、その内、都市部については17%にとどまっているのが現状です。

このため、国土調査推進特別措置法が平成12年3月に改正されたことを受けて、平成12年5月に新たに平成12年度を初年度にする第5次国土調査事業十箇年計画が閣議決定され、国土調査の緊急かつ計画的実施の促進を図ることとされました。

 この十箇条には、この計画は、今後の社会・経済の動向、財政事情等を勘案しつつ、中間年に見直すことについて検討するものとする。となっております。

そこで、台東区は、今まで、地籍調査についてどのように取り組んできたのか、お答えください。

また、第5次国土調査事業十箇年計画について、どのように取り組んでいくのかお答えください。

地籍調査は個々の利害につながる微妙な問題を抱えていますが、台東区の街づくりを進めていく上で通らなくてはならない道だと思います。

区長の、推進する決断を願って、次の質問に入ります。

 

「区長答弁」

ご質問の第五は、地籍調査の取り組みについてでございます。

まず、これまでの取り組みについてでございます。

第5次十箇年計画は、特に都市部での地籍調査の促進を目的に策定されたものでございます。

現在、国においては、測量の基準となる点や、明治時代に作成された公図と現状のズレを調査した図面の作製等、根幹となる基本的な調査を行っており、区はこの調査に協力し、情報の提供や調査業務を円滑に進めるための広報等を実施して参りました。

次に、今後の取組みについてでございます。

議員ご指摘のとおり、地籍調査の必要性は私も同感でございます。

都市部の地籍調査は、土地の権利関係が複雑なため、多くの労力と時間を要しますが、震災復興や公共事業の迅速化など、まちづくりに大変有用な事業であると認識しております。

今後は、区で保管している道路管理情報や基準点情報、さらには、この基準点を活用した土地境界図等の、電子データの蓄積に努めるとともに、国の調査結果等を踏まえて、本区に適した地籍調査を検討して参ります。

 

 

(6)ドックランについて

ドックランについては、平成16年第1回定例会の一般質問と、予算委員会の総括質問で区長に提案いたしました。

第1回定例会のときの区長の答弁は、「社会的関心やニーズの高い施設であると認識しております。しかし、ドックラン公園の整備には、スペースの確保、運営や衛生面での管理及びその管理主体など、多くの課題がございます。区の公園につきましては、区民の憩いの場としてご利用いただいておりますので、地域の皆様の理解と協力が不可欠でございます。一方、都ではボランティア等の協力、近隣住民との調整など、条件が整った公園から設置に向けた検討を進めております。区といたしましては、まず公園利用者を初め、地域の皆様に対しドックラン調査を実施いたします。」と、まったく役人そのままの答弁をされました。この質問の後、いろいろな人から、意見がありました。

ドックランについてよく質問してくれた。という好意的な意見や、今、こんなことを論議しているときか、というような意見もありました。

しかし、現状を見ますと、犬を飼っている人口は年々増えています。

その大きな要因は、核家族化による「心の癒し」「心の友」だと私は考えています。

犬と一緒に散歩することにより、痴呆の防止や、足腰の衰えをカバーしているのです。

そこで、3月の予算総括質問で再度区長に質問をいたしました。

このときは、区長は自分の言葉で「前回、本会議においも、木下委員からご指摘を受けました、私もああいった答弁しかできえなかったわけでございますが、その後、予算特別委員会の審議の中においても、課長があれしきの答弁しかしなかった。私も、犬が大好きな人間として、よく広い場所なんかに行きますと、本当にリードをはずしてあげて、パーと放し飼いで遊ばせてあげるような場がないのかなということは、絶えず、委員と同じような感覚を持っている一人でございます。そんなことで、とにかく今、どこかの区立公園の中の一部でもいいから、どこかそうゆう場がないものか、これから真剣に検討していきたいと思っております。それには、やはり一般の犬の、先ほどお話ではございませんが、嫌いな方もいらっしゃるわけですから、当然、公園等で遊ばせる場合も、例えば曜日の何時から何時までというような、一つのルールをつくって、そういう時間をつくっていくとか、また、一般の公園の愛好者に迷惑のかからないような方策をとりながら、とにかく、木下委員のおっしゃるとおりの施設を、何とかつくっていきたいと思います。そういうときには、又お知恵を是非ともお借りしたいと思います。」と、一般質問のときより一歩も二歩も進んだ答弁をいただきました。

しかし、待てども待てども、私の知恵をかりにくることもなく、どこまでこの問題が進んでいるのかもわからない状態です。そこで、この答弁にあるように、ドックラン調査をどのような公園で、どのような人にしたのか、そして、どのような方向性が出たのかお答えください。

最近になって、公園でのトラブルを聞きます。

ゲートボールをしている方たちと、犬の散歩にきた人達の間でのトラブルです。

おかしいな。何故トラブルが起こるのか?犬の散歩をしている人の時間帯は朝早くで、ゲートボールをしている人達は、午前10時ごろからなのにと思い、ゲートボールをしている時間に公園に行って見ました。驚いたことにこの時間でも犬の散歩をしている人の多いいこと。これでは、トラブルが起こるんだなーと感じました。

台東区は、10キロ平方と23区で一番狭い区です。そのような状況ですから公園も限られたスペースの公園にならざるを得ません。その公園を区民の方の憩いの場所と考えると、決まった形の公園しか出来ないのだろうなーと思いますが、これだけ犬を飼っている家庭が増えている現状を考え、上野公園にドックランをと都と交渉するか、区長が答弁したように、時間帯における使い道。例えば、土曜日曜とか、学校の放課後しか使わないボール遊びをするように囲われている場所を考えられたらいかがでしょうか。区長の考えをお聞かせください。

 

「区長答弁」

                                 ご質問の第六は、ドッグランについてでございます。

まず、ドッグランに関する調査についてでございます。アンケート調査は、平成16年6月に実施いたしました。町会長及び公園管理協力員、並びにEメールサポーターの方々約400名を対象に行い、その結果は、賛成、反対おおよそ半々ずつで、ドッグランの設置については、まだ充分な理解を得られていない状況でございました。

今後のドッグラン設置につきましては、地元の理解が得られ、ボランティアで管理できる公園があれば、検討する方針をとっております。

次に、上野公園へのドッグラン設置についてでございます。都の設置要件は、近隣住民及び公園利用者との調整、管理運営にボランティアの協力が得られること等であり、この条件が整えば、設置に向けて都と交渉して参ります。また、時間帯や曜日による公園利用の方法につきましては、先ほど申し上げた方針のとおりでございます。