平成28年第1回定例会 代表質問          
       
                         

1.区政運営の基本的な考え方について

2.予算について

  (1)当初予算規模の考え方について
  (2)公会計などを活用した財政の分析の強化について
  (3)人材育成について



       
                         
       

 

代表質問

[たいとうフロンティア]の木下悦希です。

会派を代表して、区政の基本的な課題について

質問をさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

私たち、たいとうフロンティアは、所属政党や議員としての

経験年数にとらわれず活発な議論を行う、区民のための政策集団であると自負しております。

本年も「誰もが笑顔で暮らせる台東区」の実現に向けて、

積極(せっきょく)果敢(かかん)に政策提言をしてまいりたいと考えております。

是非、区長におかれましても、私たちの提言を真摯(しんし)に受け止め、議会・委員会において、有意義な政策論争を繰り広げていく中で、

さらなる区政改革に取り組んでいきたいと願っております。

最初に区政運営の基本的な考え方について質問させて頂きます。私は、政治には常に検証が必要であると考えております。

昨年3月2日に初登庁された服部区長は、就任のあいさつで、東京オリンピック・パラリンピック大会で海外から来られる大勢のお客様を

「おもてなし」できるまちづくりを早急にスタートさせたいとおっしゃっておりました。

またその一方で「地域産業と商店街の振興でまちの活性化」

「安全・安心の防災とバリアフリーのまちづくり」「やさしさと

人情が通う福祉の充実」「家庭の絆を大切に、教育改革」「歴史と文化のまちづくり」などの施策をより一層推進していかなければならないと

おっしゃっておられました。

その後、3月19日に本会議場で行われた区長就任の挨拶でも、日本のショーウインドー、看板娘の役割を担うのは台東区だと

確信していると同時に、地域産業と商店街の振興などを推進すると、3月2日と同趣旨の発言をされておりました。

さらに、6月2日の第2回定例会の冒頭、区長は、同じく所信表明の中で「躍進たいとう、新しい台東区」の実現を目指して、

区政運営における5つの考え方を明らかにされました。

「元気な地域産業と商業の創造」「快適で安全・安心なまちの創造」「人情あふれる福祉とすこやかな暮らしの創造」

「家庭の絆を大切に、子どもの豊かな未来の創造」「歴史と文化が薫る、魅力ある

国際文化観光都市の創造」といずれも、3月の発言と首尾一貫したものであり、この基本的な考え方に沿った補正予算を編成

することで、区長の政治姿勢の一端が具体化されたと思います。区長に就任されてからまもなく1年がたとうとしております

この間、長期総合計画及び行政計画を策定され、本区の進む方向性を明らかにするとともに、ホームページのリニューアル・ハラール

認証取得助成の実施・WI-FI環境の整備・タイ王国のバンコク訪問・教育大綱の策定・循環バスの運行など、早速

さまざまの施策を展開されておられます。また、国立西洋美術の世界遺産登録・東京オリンピック・パラリンピックに向けての

動きも、これまで以上に活発になることでしょう。

また、区長は、今回の所信表明において、さらに力強くご自分の描く台東区について発言されました。

区政運営における5つの考え方に基づく平成28年度予算について発言されており、区長が、今後、実行していきたいことは十分に

理解することが出来ました。

是非、区長は、ご自分が掲げる「躍進(やくしん)たいとう・新しい台東区」の実現にまい進して頂きたいと存じます。

しかし、それと同時に、私は、まだまだ足りないこと、逆に今後改善していかなければならないことも、区政には多いと痛感しております。

区長の一年間のご尽力には敬意を払いつつ、また、これからの抱負に期待を込めながらも、あえて申し上げます。

住民に最も身近な自治体である区政とは、そこに住まうすべての区民の方々に、まんべんなく暖かい光が当たることだと、

私の政治の師である飯村恵一元区長の政治信条である「太陽の心」から学びました。また、それと同時に、

本当にやらなければならないことをやっていくためには、民主主義の本質にしたがい、丁寧に説明と対話を重ねたうえで

「やめるべきことはやめることだ」と考えております。そこで必要なのが、私が常日頃(つねひごろ)から

申し上げている、政治哲学でもある「行政の守備範囲」を明確にすることです。

区長就任後、この1年を振り返って、区政運営の基本とはどのようなことだと考えておられるのか、平成28年度予算を執行(しっこう)していくにあたり、

あらためて区長にお伺いいたします。

 

「服部区長答弁」

木下議員の質問にお答えします。

ご質問の第一は、区政運営の基本的な考え方についてです。区長就任からまもなく一年を迎えますが、この間、産業振興のための

「ビジネス支援ネットワークの構築」や、教育政策の大方針である「教育大綱の策定」、待機児童解消のための、

「認可保育園の開設」など、多分野にわたる取り組みを進め、本区の躍進に向けて、一歩一歩着実に歩んでまいりました。

私も、元台東区長飯村恵一先生の政策信条である「太陽の心」から区政運営の基本について学ばせて頂きました。

私は、温故創新の気概を持ち、日々新たに、スピード感を持って区政に臨むことを基本としています。

将来にわたり、区民の誰もが誇りを持ち、安心して暮らせるまちでありつづけるためには、山積する課題に積極果敢に挑戦していく事が必要です。

その実現のために、国や東京都とともにしっかりと連携を図り、区政進展に邁進してまいります。

 

「予算について」の質問にうつらせて頂きます

区長が、はじめて本格的に編成された平成28年度当初予算について、私たち会派は予算書をしっかり読ませていただきました。

具体的には、産業フェアの開催・花と心プロジェクトの実施・小学校体育館エアコンの整備等々、様々な事業が実施されるようです。

私たち[たいとうフロンティア]においては「地域の元気!未来につなぐまちづくり」「地球にやさしく・災害に強いまちづくり」

「議会改革・自治体改革の推進」をキーワードとして、平成27年度に引き続き、昨年10月に「平成28年度予算に向けた政策要望」を

区長に提出致しました。その私たちの提案を真摯(しんし)に受け止めて頂き予算化されました英断に敬意を表します。

しかし、必ずしも、これで十分とは考えておりません。

私たちが提案いたしました多くの事項は、いまだ予算に反映されていないことも事実です。私たちは、単純にあれもこれもと

要求しているわけではありません。真に必要な施策(しさく)を厳選して提案しております。

また、区有施設の老朽化対策や管理運営の適正化など、見直す

べきものは見直す提案も行っております。

さらに、提案型協同事業制度の実施やクラウドファンティングの研究と活用促進など、事業の実施主体を組み替える(かえる)、あるいは、

財源の一部をあらたに確保する提案も行っております。

 

そうしたことを踏まえたうえで、

平成28年度予算について、具体的に質問をさせて頂きます

平成28年度当初予算は、国民健康保険事業会計以外は、各会計において増額となっております。特に、一般会計は、

当初予算としては過去最大の規模になっておりますが、この主(おも)な原因はどこにあるのでしょうか?区長の思いを懸命に

反映された結果なのでしょうか。区長にご所見を伺います。

昭和50年度に210億円であった当初予算は、平成5年度に900億円を超えて以来、増減を繰り返してきましたが、ついに、

1,000億円が間近(まぢか)にせまってまいりました。

今後、少子高齢化の急速な進行により、子育て支援や介護など社会保障にかかわる経費は、国の推計にもありますように、

ますます増加していきます。

もちろん、一定程度の抑制はやむ負えない面もあるとは思いますが、今後、さらにお子様やお年寄りへの支援を充実していく

必要があると考えています。しかし、本来、その財源となるべき消費税の増税相当分は、法人住民税の国税化の拡大で帳消しと

なってしまうのではないでしょうか。

人口減少社会という大きな流れの中で、また、国が進める偏在是正処置と云う特別区を狙い撃ちにした税制改革や財政処置が進められています。

さらに、東京都と特別区の関係に変化が現れる中で、歳入・歳出ともに、区の財政には大きな構造変化が起きつつあるのではないでしょうか?

実務的に、穴の空いた歳入をどう補てんしていくのか、あるいは歳出を精査していくのかという作業が不可欠になってきます。

しかし、そのためには、構造変化の要因をしっかり理解することが重要ではないでしょうか?

区では、これまでも、毎年度の決算をもとに、国の統一基準に従い、全国全自治体との比較が可能な普通会計なるものを作成し、

経常(けいじょう)収支(しゅうし)比率(ひりつ)や実質収支比率などの財源(ざいげん)指標(しひょう)を活用し、

区財政の解析(かいせき)を行っていますし、夕張市の財政破たんを契機に、新たに誕生した実質赤字比率など健全化判断比率をもとに、

区の財政の健全性について検証してきました。加えて、バランス・シートなども作成しているようですが、現在、毎年度まとめられている

「台東区の財政の現状」で十分といえるのでしょうか?

今後は、区の財政運営を、これまで以上に中長期的(ちゅうちょうきてき)な視点から適切に行っていく必要があります。この際、新たな公(こう)会計(かいけい)

なども活用して、財政の分析を強化していくべきではないでしょうか?区長の考えをお聞かせください。

予算の細部については限られた時間の代表質問なので、予算委員の仲間に審議をゆだねて次の質問に入ります。

 

「服部区長答弁」

ご質問の第二は、予算についてです。

まず、平成28年度一般会計予算案の規模についてです。

28年度予算案は、私が区長として、初めて編成に取り組む当初予算であり、私が掲げる「躍進台東 新しい台東区」の実現に向け、

自ら先頭に立って、区政運営における5つの考え方に基づく事業が着実に実施できるよう、予算配分を行いました。

新たな取り組みとして、花を慈しみ、おもてなしの心を育む「花の心プロジェクト」、台東区ブランドを広く国内外に発信する

「産業フエア」の開催、地域包括ケアシステムの構築に向けた「機能強化型 地域包括センター」の設置などを行います。

また、「高齢者サービス需要への対応」や「子育て支援の拡充」、「区有施設の老朽化対策」など、様々な課題解決のための、

真に必要な経費を計上したことによるものです。

次に、財政の分析についてです。

本区の財政を取り巻く状況は、目まぐるしく変化しており、歳入では、法人住民税の一部国有化や消費税率10%への引き上げ時における

さらなる国税化の動きとともに、人口の増加や障害者へのサービス需要増への対応など、様々な行政需要も抱えております。

私は、将来にわたって、区民の皆様が安心して生活できるよう、中・長期的な視点に立った、安定的な財政運営を推進する為、

これまでの分析手法に加え、議員義提案の、新たな地方公会計なども活用し、財政分析の充実に取り組んでまいります。

 

人材育成について

検証・予算と質問を行いましたがそのことを実行するのは人です。たとえどんなに予算があっても、また、区長がいかにリーダーシップを

発揮しようとしても、予算を動かす、区長の指示を受ける職員が十分な働きが出来ないのでは、決して良い結果は得られません。

特に、区長から、直接、下命(かめい)を受ける立場にある、部長や課長の管理職の皆さんの手腕が、台東区の行く先を決定すると

云っても過言ではありません。幸いにして、台東区には、多くの優秀な管理職職員がおります。

所信表明にもあった通り、区長は、より効率的・効果的に施策を推進していくために、その思いを組織改革に表しております。

その結果、私が数えたところ、数名の管理職職員が定数上増員になります。

しかし、台東区の場合、今後、経験豊かな部長や課長が、毎年度相当数の方々が退職されていく予定です。

引き続きご活躍いただくことが、ぜひ必要ですが、その一方で、将来の台東区を担う若手の管理職員を育成していくことも、

大変重要なことではないでしょうか。以前と異なり、最近では、分割受験や前倒しの受験などが可能となり、最短では、

30歳くらいから管理職試験を受験できる仕組みになっているようです。実際相当数の皆さんが前倒し受験にいどみ、台東区においても、すでに、

数人の方が管理職候補として待機しております。この4月には、いよいよ、前倒し受験経験者の管理職職員も誕生すると聞いております。

私も、若手の皆さんが、管理職を望んでいくことに大いに期待しております。

管理職職員の年次管理を適切に行っていくためにも、中長期的な視点から、若手の管理職職員を要請していく必要があると考えますがいかがでしょうか。

区長のお考えをお聞かせください。

また、難関の試験を合格し、晴れて管理職職員として活躍される皆さんでも、それぞれ職場に応じて適・不適ということもあろうかと存じます。

また、大変厳しい物言いになりますが、管理職として経験を積まれる中で、どうしても優劣が明らかになってこようかと存じます。

頭角を現し、ずば抜けた業績を上げる方も現れてくるでしょう。しかし、現在の仕組みでは、一定年数を超えないと、どんなに優秀であっても、

部長に昇任させることはできません。

人事権を持つはずの区長が、現行制度では、自分の部下を適材適所に配置できないというジレンマが、おこりうるのです。

また、若手で優秀な管理職だけでなく、いろいろな理由があり、管理職試験の受験が遅れた方は、どんな立派な業績を残しても、

どれほど才覚があっても、部長として登用することが難しいのです。例えばですが、子育てや介護に忙しく30歳代から40歳代で

管理職試験を受験できなかった方。また、係長として職責(しょくせき)を全うしたうえで50歳代になり管理職を志した方などが

いらっしゃるのではないでしょうか。

管理職の任用については、特別区で一体となって仕組みを設けていることは十分承知していますが、経験年数にかかわらず重要な

職責を担わせるとともに、部長への昇任を容易にする制度にするべきと考えますが区長のお考えをお聞かせください。

今後は、女性管理職の増員について、目標数値を持って進んでいく事になるかと思いますが、女性管理職の登用についての

区長の決意をお伺いいたします。

言い古された言葉ですが、ローマは1日にしてならず、区政も全く同じであるはずです。

区長には、区政運営の基本的な考えを明確にされ、そのうえで、限られた予算と人材、区の資源を有効活用することにより、より良い

台東区を築いていただきたいと願っております。

私たち[たいとうフロンティア]も、会派としての政策能力の向上、情報発信を強化するとともに、区長と議論を積み重ねながら、

積極的な提言を続けてまいります。

新たな区政の先頭を走る開拓者=フロンティアとして、改めて決意を申し上げ、質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

「服部区長答弁」

ご質問の第三は、人材育成についてです。「前倒し受験」や「分割受験」など管理職選考制度変更の成果が現れつつある一方で、

職責や議会対応への不安、プライベート面への影響などから、依然として、昇任選考を受験しない職員も多くあります。組織を中・長期的に

維持するためには、それぞれの年代層から、着実に係長職・管理職を育成することが重要です。今後とも、職員の昇進意欲向上のため、

研修やOJTなどを通じて入区の段階から働きかけていくとともに、職務・職責に応じた能力を身につけるよう、組織的な支援体制の充実に努めてまいります。

次に、部長職への登用については、私も議員と同様の考えを持っております。現在、特別区長会においても、管理職選考の受験率低下に

対応するため、人材活用のための弾力的な任用管理の促進や、職務・職責に相応しい給与処遇の実現を目指し、検討を進めています。

私は、管理職の能力の優劣は、その職員が仕事を通じて、これまでどれだけ課題解決に取り組んできたかという経験値によるところが

大きいと考えています。したがって、区長会における検討の経過も踏まえ、今後とも、管理職として職務・職責を十分果たせる

人材育成に力点を置き、必要な経験を積むことができる人事配置に努めてまいります。

次に、女性職員の管理職登用についてです。多様化する行政課題を解決するうえで、結婚や出産などにより、昇任意欲がありながら

受験に至らないことは、区にとって大きな損失です。

そのため、安心してキャリアアップを図れるよう、今後とも、仕事と家庭生活の調和を一層推進するとともに、受験しやすい環境づくりや

支援に努めることにより、女性職員の管理職登用を進めて参ります。