2012年度  定例会 一般質問        
   
                     

1.「 財政運営について 」

2.「行政経営推進プランについて

3.「人口推計について

4.「台東区の医療体制について

5.「区立台東病院について

6.「教育委員会のあり方について

7.「将来の日本を担う子供たちの育成について

8.「保育における行政の役割についてについて

 

                     
     

 

区民クラブの木下悦希です

早速、質問にはいらさせていただきます。

 1. 「財政運営について」

クラブの皆さんの了承を受けて区長教育長に質問をさせていただきます。

 

最初に、財政運営について質問いたします。

平成23年度は、東日本大震災に関連した緊急対応や区民の経済的負担の軽減、さらには、生活保護受給者の増大に伴う区負担分の増加など、新たに財政出動をしなければならない状況でありました。

今定例会に、平成24年度の予算が提案されたのを見ると、一般会計の総額が、938億円で、平成23年度の当初予算と比べると、60億円、6,8%の増加になっています。

23年度の当初予算は、区長選挙・区議会議員選挙を控えており、原則として新規事業や政策的な事業の経費の計上が見送られていたことから、一概に比較することはできませんが、23年度の最終補正予算案の金額と比較しても、約34億円、3,8%の増加になっています。

主要な財源である特別区税や特別区交付金が大幅に減収となっている状況の中での、非常に厳しい予算編成であったのではないかと推測いたします。

そこで、改めて、平成24年度の予算編成が終わった今、本区の財政の現状について区長はどのように認識しているのかお伺いいたします。

昨年3月に策定された行政計画の中で、計画期間中の収支推計を予算ベースで行っています。

この推計では、景気が上向きの場合と横ばいの場合、下向きの場合の3種類を公表しています。

平成24年度の一般会計予算案を見ると、景気が下向きの場合での推計と比べると、予算規模で、約36億円膨らんでいます。生活保護費の増大や震災対応経費の増加など、退けられない支出があることは理解できますが、膨らんだ予算規模がこのまま続いていくのではないかと不安を感じます。

また、別の角度から見ても、このたびの、予算案を見ると、基金の取り崩しが約61億円、地方債発行も

約14億円となっています。

24年度末の基金残高は、約259億円見込んでいるとのことですが、このうち、年度間での財源調整を図るための財政調整基金は約73億円であり、他の基金はそれぞれ特定の目的のためにしか活用できないものであります。

歳入が好転しないまま、行政需要がこのまま増大し続けると、73億円の貯えはすぐに、底をついてしまうでしょう。

区長は、「中期・長期的な視点から健全な財政運営に努める」と言われておりますが、これまでと同様な取り組みだけで、果たしてそれが可能なのでしょうか?

飯村区政の時代に行った「財政健全推進計画」初年度の平成12年度予算と比べると、今回の予算は、投資的経費の割合が減り、これに代わって扶助費の割合が増大していると感じています。

きちんと将来を見据えるのであれば、以前取り組んだ「財政健全推進計画」のように思い切った大胆な、手法を取って活路を開かなければならないと思いまが、区長の財政の見通しについての見解をお伺いいたします。

健全な、財政運営を進めて行くうえでは、まず、限られた財源の総量を計り、事業の優先性、緊急性の判断をして、区民に現状を理解していただき、効率的な配分をすることが重要であります。そして、事務事業評価を強化するシステムの導入等を図り、歳出水準の見直しを抜本的に行うことが必要だと思います。

直近の具体的な課題は、24年度以降の収支不足への対応だと考えます。

そのためには、組織を見直すか、事業を再編するか、新規財源を探すかです。しかも、これらを徹底的に行うことと、区民に対して、区の財政状況を、わかりやすく説明し、区民の理解と協力を得ることが不可欠だと、私は考えますが、健全な財政運営の推進のために、どのような対策を考えられているのかお答えください。

2.行政経営推進プランについてお伺いいたします

 

昨年の、3月に策定された、行政経営推進プランは、国の制度変更や今後の行政需要を踏まえた早期対策として、平成22年度を初年度とした4年間の計画であります。

計画の、2年目が終わろうとしている現時点でのプランの達成状況と財政的な効果はどのようになっているのかお答えください。

そのうえで、昨年は、東日本大震災の発生やそれに伴う、放射能問題による節電・風評被害・ヨーロッパにおける信用不安等々での景気への影響等など、社会情勢の著しい変化がありました。また、国の、社会保障と税の一体改革で論議されている、消費税増税論など区を取り巻く財政環境が大きく変化することが予想されます。このような現状を勘案すると、本プランの修正が必要と考えますが、区長の見解をお答えください。

行政経営推進プランの一つの、補助金の適正化への取り組みは、現在、行政経営の視点と事務事業改善の視点の2つの視点で作業が進められているとお聞きしています。

その成果物としては、「交付等に関する指針」の作成と「交付事業等のガイドライン」の作成ということであります。特に、交付等に関する指針は、補助金交付の基本的考え方を示すものだと考えますが、その位置づけ、目的が、今一つ不明確であると思いますがいかがでしょうか?

補助金等の適正化は、行政経営推進プランでは、「健全で持続可能な財政運営の推進」という目標を達成するための計画の一つとして位置付けられています。

このことは、「交付等に関する指針」においても、この位置づけをもっと鮮明にするべきと考えますがいかがでしょうか。

例えば、作業中の「指針」では、透明性の確保として、補助金の執行状況等を区民に公表するとあります。誰がどのようにして、どの内容を公表するのかお答えください。

さらに、新たな審査システムを構築して定期的な審査をするということでありますが、誰がどのような基準で審査するのかお答えください。審査結果によっては、補助金の取り消しや返還請求を行うなど、強い姿勢で取り組むのかもお聞かせください。

この問題を進めるには、区長の強い意志と、区民に対する強い姿勢と、理解を促す強いメッセージが不可欠です。

その思いを込めた答弁を期待し次の質問に移ります。

区長答弁

ご質問の第一は、財政運営についてでございます。

まず、財政の現状認識と今後の見通し、及び、これを踏まえた対応についてでございます。

平成24年度におきましては、主要な一般財源である特別区税が3年連続で減収、特別区交付金が4年連続で減収となり、あわせて、この4年間で約71億円の減収となっております。

一方、歳出では、東日本大震災を踏まえた防災力の強化、生活保護費など、扶助費の大幅な増加や進展する少子高齢化への対応、庁舎老朽対策や基幹系業務システムの改修など、行政サービスを維持、向上させていく上での土台となる経費を計上した結果、基金と起債の活用額は、約76億円となっております。

これは、平成23年度の特別区税の約4割にも相当するものであり、極めて厳しい状況に直面していると認識しております。現在、長期総合計画及び行政計画の修正と経済状況を踏まえた平成24年度から26年度までの財政収支推計の試算を行っておりますが、現行の施策や施設整備等の需要、さらに扶助費の伸びを勘案いたしますと、今後も財政規模が大幅に減少する状況は見込まれません。また、主要な一般財源である特別区税や特別区交付金などの大幅な回復が望めない中で、不足する財源を、基金や起債の活用により対応いたしますと、基金の残高が特別区債の残高を下回る状況も予測されます。議員ご指摘のとおり、財政健全推進計画の初年度である平成12年度当初予算と、24年度予算案における性質別構成を比較いたしますと、投資的経費や人件費、公債費などがいずれも減少しているのに対し、扶助費は21,5%から35,0%へ13,5ポイントの大幅な増加となっております。こうしたことから、今後の見通しを踏まえ、中・長期的に健全な財政運営を維持していくためには、私も思い切った取り組みが必要であると考えております。

私は、区民の明日を支えるために、職員の先頭に立ち、区議会をはじめ、区民の皆様のご理解・ご協力を頂きながら、この厳しい財政状況を乗り越えるとともに、区民の皆様の日々の生活を守り、将来を見据えた施策を着実に推進してまいります。

次に、行政経営推進プランの達成状況と財政的な効果についてでございます。区では、長期総合計画や行政計画を効率的、効果的に実施していくため、プランに基づき、行政経営に関する取り組みを継続して進めてきたところでございます。プランの達成状況につきましては、区民の利便性の向上の観点から「図書自動貸し出しサービス」を実施し、また、「指定管理者制度運用方針」を改定して、事務の効率化を図るなど、順次、計画的に取り組んでいるところでございます。財政的な効果につきましては、プランに掲げる個々の取り組み事項を実施することで、事務事業の見直しや、施設の維持管理経費等の縮減を図り、健全で持続性可能な行財政運営に努めてきたところでございます。

次に、行政経営推進プランの修正についてでございます。今後も行政需要や財政の見通しを的確に捉え、行政計画の改定に合わせて、プランにつきましても、必要な修正をしてまいります。

次に、補助金交付の適正化への取り組みについてでございます。まず、指針の目的及び行政経営推進プランでの位置づけについてでございます。現在策定中の指針の目的につきましては、これまでの取り組みを踏まえ、補助金の交付等に関して、区の統一的かつ基本的な考え方を改めて整理するものでございます。この指針によって、補助金交付に関する透明性を、これまで以上に高めるとともに、補助金に特化した検証の仕組みを作るものでございます。また、指針の行政経営推進プランでの位置付けでございますが、指針に基づく継続的な取り組みを徹底することは、議員ご指摘の通り、プランに掲げる健全で持続可能な財政運営の推進にも寄与するものでございます。

次に、補助金の執行状況等の公表についてでございます。公表内容につきましては、策定する指針をはじめ、補助金の執行状況や検証結果を予定しているところでございます。

また、公表の方法につきましては、区のホームページへの掲載を予定しております。

次に、補助金の審査につきましては、個々の補助金の執行内容が、指針に規定する公益性、有効性や必要性等交付要件に、適合しているかを検証するものでございます。検証にあたっては、新たに庁内委員会を設置して対応してまいります。

私は、今回作成する指針により、区としての考え方を明確に示し、補助金執行の更なる適正化に向けて、強い姿勢で取り組んでまいります。

3. 人口推計について質問いたします

 

行政が、様々な政策を進めて行くうえで、必要不可欠なことは、区の実態を正確に掌握することです。

現在、区では、区民意識調査や満足度調査をはじめ、様々なアンケート調査等を行い、区民の動向を、定期的に、しかも、相当詳細に分析し、これまで、各種施策の実施に役立てています。この点については、一定の評価をするところでありますが、やはり、なんと言っても、最も重要なのは、区の基本である「人口」を正確にとらえ、できるだけ的確な将来推計を行うことではないでしょうか。

以前は、毎年度、人口推計を行い、行政の基礎資料として活用してきたと記憶しています。

しかしながら、現在は、各種の計画作成にあたり、それぞれの計画ごとに、推計を行っているのが実態ではないでしょうか。

また、区では、現在、様々な所管課で、多くの統計調査を行っています。

ただし、その多くが、国からの法定受託事務として行われており、所管課、調査方法、集計方法など、すべて国の考えに基づいて行われています。

国勢調査や人口動態調査など、区の基本となる統計調査も、それぞれ、統計法など国の法律に縛られているのが現実の姿でしょう。

国勢調査を例にとれば、国からの委託金の交付を受け、国の法律、政令、省令、通知に基づき、調査を正確に実施することが、区の役割になっているとお聞きしています。

具体的には、国が作成した調査票を、現実に対象者に配布すること、配布した調査票を回収し、記入漏れ、誤記がないかを確認した後、期限内に、国に報告することが、区の最も重要な任務になっています。

法律上は、区民の皆様から回収した調査票は、原則として、複写することなく、国に送付することになっているため、個別の調査票に基づき、区独自の集計を行うことができず、東京都を通じて国に送付した調査票を、国が取りまとめ、公表するのを待って、はじめて調査結果を掌握する仕組みになっています。

人口動態調査についても、厚生労働省が衛生行政に役立てるために行っているもので、区で、独自に判断する余地はありません。国の法定受託事務として行っている統計調査は、国の各省庁が、それぞれの目的にしたがって行っているため、同じ時点の人口を調べても、それぞれ異なる調査結果になっています。

国の縦割りは何としても改善してもらわなければなりませんが、どの統計を、どのようにもちいれば、正しい推計ができるのかという、難しい課題があります。

そこで、まずお伺いいたしますが、区の計画の基本になる長期総合計画は、どの統計をもちいて、どのように推計したのかお伺いいたします。

東日本大震災や、ヨーロッパの財政危機、社会保障と税の一体改革という、社会経済状況が著しく変化する中で、区の財政状況は大きく変わります。そうなると、当然、地域防災計画の改正後に長期総合計画・行政計画も抜本的に見直さなければならないと考えています。その時点で、再度、人口推計を行う必要性があると思いますがいかがでしょうか?もし、やる気であるならば、どのような手法を取るのかもお答えください。現在、推計を行うのが難しいので、財政フレームを、上位、中位、下位、という3種類の推計を行っているとみています。もし、長期総合計画の改定を行うのであれば推計も、場合によっては、数種類の推計を示す必要があると考えますがいかがでしょうか?

さらに、区では、現在、全庁的に統一した人口推計を行っていないと聞いていますが、はじめに申しましたように、区の基本は人口です。計画ごとに、高齢者人口、就労人口など、それぞれ推計することが重要ですが、統一した人口推計は、先行き不透明な時代だからこそ、必要不可欠だと私は考えています。

それと同時に、人口推計を行う前提である、人口も、必ずしも統一的に掌握されているとは思えません。なぜなら、私が、人口数値が必要になると、戸籍住民サービス課で、住民基本台帳の人口をたずねたり、この数値に、外国人登録人口を加えたり、総務課で国勢調査人口を確かめるといった具合です。

現在、行政資料集を見れば、それぞれの数値が示されていますが、区の人口がこれだというものが、はっきりしていないと感じています。

そこで、区の諸計画を取りまとめている企画財政部で、「人口」「人口推計」の統一見解を持つべきだと思いますが、いかがでしょうか?

長期総合計画の改正に併せて行う人口推計を、新たな起点として、統一的な人口推計を行ってはどうでしょうか?

また、今年の7月には、外国人が住民基本台帳に取り込まれることになっています。もし、長期総合計画の改正を行うなら、先ほど申しましたように、人口推計を行いそれを起点として、計画の策定部である企画財政部において、区の人口とは何かを定義づけて、統一的な見解を示すべきではないでしょうか?

わたしは、住民基本台帳法の改正を契機に、この際、区の人口は、外国人を含めた、新たな住民基本台帳人口にするべきだと考えますがいかがでしょうか?

将来、日本は、本格的な人口減少社会を迎えます。

このことは、台東区にとっても、例外ではありません。

バブル崩壊後、地価の下落もあり、都心回帰現象が顕著になるとともに、「子育てするなら台東区」という区長の積極的な姿勢もあり、目標人口の18万人の達成は、目前に迫っています。いや、外国人の登録も入れると達成されているかもしれません。

しかし、これから、10年、20年後の区の状況を見たとき、区の人口が増加するとは考えられません。区として、これからの施策を展開して行くうえでも、施策の基本になる人口推計を、長期総合計画を作成する部署で、全庁的な視点から、責任を持って行うべきだと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。

区長答弁

ご質問の第二は、人口推計についてでございます。議員ご指摘の通り、人口は、施策・事業の計画、立案の検討材料として、最も基礎的な数値でございます。また、将来推計につきましては、長期総合計画における施策の方向性を掌握するとともに、各分野における個別計画におきましては、計画期間中の事業量を算定するための基礎データーであると認識いたしております。現在の長期総合計画においては、住民基本台帳人口をもとに、出生率や転入・転出の割合等を反映させる「コーホート要因法」を使って将来推計を行っております。今後、長期総合計画、行政計画を改定する場合には、現在と同様の手法で改めて推計を行うとともに、複数の推計を行う必要性についても検討してまいります。各分野における個別の計画においては、これまでも、長期総合計画と同じ手法で推計を実施しております。計画によっては、外国人登録者数を加えた数値を使用している場合もございますが、本年7月からは、住民基本台帳の対象に外国人が含まれることとなります。したがいまして、今後、人口につきましては、原則として、新たな住民基本台帳に基づく人口が基本になると考えております。施策の基本となる人口推計につきましては、全庁的な視点から、長期総合計画の作成部署で行ってまいります。また、個別計画においては、その推計を基本としつつ、策定時点における最新の数値を使用し、「コーホート要因法」によって推計してまいります。なお、その後、区を取り巻く社会状況の著しい変化によって、人口の大幅な増減が予想され、当初の推計から大きく乖離することが明らかな場合には、改めて推計を行ってまいります。

4.台東区の医療体制についてお伺いいたします

現在、台東区がかかわっている病院としては、中核病院としての、永寿総合病院と、慢性期医療を担う、区立台東病院があります。

そして、保健福祉委員会でも報告がありました、区北部の医療の中心であり、二次救急を行っている浅草病院の老朽化問題と移転問題が進んでいます。

しかし、10数年前を思い起こすと、平成 8 年には、「都立病院改革マスタープラン」の実施により、旧都立台東病院が休止となり、平成 14 年には、下谷病院が移転するという状況がありました。

当時の飯村区長は、本区における貴重な病床数を確保するために、東京都と粘り強い交渉を重ねた結果、永寿病院が下谷病院の病床を引き継ぐことが認められ、それと同時に、本区と永寿病院は協定を取り交わし、区内に不足している、小児科や産科などの医療を提供することとし、区の中核病院として位置付けました。

そして、昨年、基本協定の見直しを行い、新型インフルエンザの対応など新しい課題も盛り込み、区の中核病院としての役割をさらに、明確にしておりますが、地域医療の中核としての、両医師会との連携や、中核病院としての位置づけ、災害における災害拠点病院としての連携等々が、はっきり見えてきません。区長の認識をお伺いいたします。

5. 区立台東病院についてお伺いいたします

 

先ほど申しましたように、旧都立台東病院が東京都の「都立病院改革マスタープラン」の実施により、休止していましたが、飯村区政から吉住区政と、地域住民の存続を切望する声にこたえて、都や両医師会等と充分検討を重ねて、平成 21 年 4 月に、旧都立台東病院の病床であった、 120 床を引き継ぎ、 23 区で初となる区立台東病院を開設しました。

台東病院も、まもなく開院4年目を迎え、療養病床の稼働率は、9割近いものがあり、高齢者の慢性期医療を担う病院として位置づいてきました。

現在策定中の、「台東区高齢者保健福祉計画・台東区介護保険計画・中間のまとめ」によりますと、本区の、高齢者は、団塊の世代の高齢化もあり、平成 29 年には、高齢者人口が約 46,000 人まで増加すると見込んでいます。

また、介護保険の認定者も、一万人を超えると予想しております。

さらに、一人暮らし高齢者も増加していくことから、急速に、医療介護需要が高まることが予測されます。

高齢者の中には、人工呼吸器や在宅での酸素療法が必要な方々、糖尿病や認知症などの慢性疾患で、病状の管理が必要な方々がたくさんおられます。

こうした方々が安心して療養生活を送るためには、在宅医療者・その方々を支える家族を支援する体制が求められております。

昨年行われた、浅草医師会主催の在宅医療を考える会のテーマは、「看取り」でした。長年住み慣れた地域で、週末期を迎えたいと望む人は、63%いらっしゃいますが、実際に自宅で、お亡くなりになる方は、20%未満という調査結果が紹介されました。

先ほどのデーターで分かるように、これからの介護は、国の方針にもあるように、施設介護から、在宅介護に進まざるを得なくなります。

そのような状況の中で、台東病院の役割は、今まで以上に重要になってくると思います。

そこで、台東区の将来に向けた医療資源として、医師会や、永寿総合病院、特養ホーム等々とより緊密な連携が必要と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

区北部の医療の中心であり、二次救急を行っている浅草病院が、老朽化問題と移転要望に対して、現在、積極的に、その問題を解決するように努力されていることは、保健福祉委員会で報告を受けています。

この問題が、解決すると、区北部地域に、今まで以上の設備等の整った浅草病院が誕生します。

そのような状況になると、区の、地域医療を支える資源が今まで以上に膨らんできます。

そこで、現在、浅草病院の問題解決に向けてのプロセスの中で、中核病院の永寿総合病院や台東病院、そして、両医師会等々と、話し合い、台東区の将来に向けた、医療と介護のシステムを確立する必要性があると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

国の方針で、大きく変わる要素がある医療と介護ですが、きめ細かな役割を担うのが、地域自治体です。その役割を担う方向性を今から模索していくことが重要だと思いますので、不確定な要素を含んだ質問ですがよろしくお願いいたします。

区長答弁

ご質問の第三は、医療体制の構築についてでございます。

議員ご指摘の、永寿総合病院と医師会との連携や、災害拠点病院としての連携、台東病院と各医療機関や特別養護老人ホーム等との緊密な連携、浅草病院の連携への取組等、いずれも大変重要な課題であると認識いたしております。本区の医療を取り巻く状況は、急速な高齢化の進展や生活習慣病の増加により、長期にわたる医療や介護を必要とする方の増加が、見込まれております。

このようなことから、これまで以上に、医療と福祉・介護の連携が求められております。「第5期 台東区 高齢者保健福祉計画、台東区 介護保険事業計画」のなかでは、新たな観点として、高齢者の方が要介護状態になっても、住み慣れた地域で生活できるよう、サービスを提供する「地域包括ケア」の強化をあげております。

さらに、都が、「東京都保健医療計画」の中で推進している在宅医療という考え方につきましても、下谷・浅草両医師会と協議を始めたところでございます。

また、災害時における医療活動につきましては、その重要性が再認識されており、本区においても「台東区地域防災計画」の見直しの中で、検討を進めております。このような状況を踏まえ、医療・福祉・介護サービスの連携を充実するためには、今後も、台東病院と中核病院である永寿総合病院が、中心となり、各医療機関や現在、移転改築に向けて検討中である浅草病院とも連携を密にし、お互いの持つ機能を活用することで、地域完結型医療を実現する医療体制の構築が重要となります。

その上で、福祉・介護事業者等に更なる理解と協力を求めるとともに、本区の中で、一貫した医療・福祉・介護サービスを提供できるシステムの充実に努めて参ります。

6.  教育委員会のあり方についてお伺いいたします

 

教育委員会制度については、教育における政治的中立の確保やさまざまな意見や立場を集約した合議制で、その地域の住民の意向を反映するためのレイマンコントロールなどの観点からその制度が導入され現在に至っています。

現在、子供たちの学力や体力、基本的生活習慣、公徳心の欠如やいじめなど、様々な問題を抱えています。

また、今は、原発事故による放射能影響について、保育現場では、保護者の皆様が強い不安を抱いており、地域住民の声を行政がどのように対応していくか、ますます重要になってきています。

もとより、次代の子供を育成する教育方針や内容は、行政や教育の専門家だけで決めるものではなく、保護者や地域住民の意見や考えを反映していくことが重要であり、教育委員会制度はこうした諸課題の解決に向けて充分機能することが求められています。

地域の、あらゆる分野の人々は、子供たちの教育にかかわる権利があり、それぞれがいろいろな考えを持っているはずです。

教育委員会制度について一般的に言われることは、主体性がないとか、文科省や都道府県の意向をそのまま実行する機関になりがちとか、さらには閉鎖的であるなどの見方があり、かねてより、一部の人たちからは、不要論がくすぶり続けています。

そうした見方は、ひとえに地域住民にとって教育委員会の果たしている役割が見えにくい、議論の経過がわかりにくい、地域に密着した活動がされていない、などと、思われている面もあるのではないでしょうか。

これらを解消していくためには、教育委員会は、普段から教育委員の方、一人一人をはじめ、教育委員会の考え方や議論の内容、また、学校をはじめ教育現場の状況などを広く区民に情報提供していくことが何よりも必要であります。

幸い、台東区教育委員会は、従前から PTA 連合会との懇談会や教育委員会独自の広報誌を発行し、さらには、教育委員が機会あるごとに直接教育現場に足を運ぶなど、地域密着型を意識した展開をしていますし、一定の成果を上げているものと評価いたしております。

しかし、現在の社会情勢の急激な変化に伴い、今後、教育委員会のあり方について様々な議論が出ることも想定されます。

本区の教育委員会は、すでに区民への情報提供や意思の疎通に努力していることは理解していますが、教育委員会として現在おかれている状況をどのように認識しているのか、また、どのような展望を持っているのかお伺いいたします。

教育長答弁

木下議員の教育委員会のあり方についてのご質問にお答えさせていただきます。

まず、教育委員会のおかれている状況についてでございます。

国は、平成18年に教育基本法を60年ぶりに改正いたしました。そして、学校教育法をはじめとする教育三法や学習指導要領も改定され、小学校は今年度から、中学校は24年度から全面実施されるところでございます。これは、近年の社会経済状況の急激な変化などから、子供の育つ環境が大きく変化し、学力や心の問題、就学前教育の重要性や家庭での教育力の低下などが背景となったものと認識をいたしております。この点につきましては台東区教育委員会では、かねてより課題として捉え、学力に関しましては、学校に週5日制が導入された直後から土曜スクールを開始し、現在はすべての小中学校で学校土曜公開を行っております。また、心の問題につきましても、平成16年から、区を上げて「下町台東の美しい心づくり」運動を展開するとともに、現在は更に子供たちが目標を持って何事にも積極的に取り組んでほしいと願い、「こころざし教育」を進めているところでございます。就学前教育につきましても、試行を経て認定こども園を順次開設するとともに、現在は保育部門も教育委員会に移管し、幼稚園・保育園など保育・教育形態にかかわらず、就学前教育の一層の充実に努めているところでございます。また、議員ご指摘のように、教育の充実・発展には保護者や地域の皆様方等の理解と協力が不可欠であります。的確に子供達の実態や要望などを掌握するとともに、教育委員会としての教育理念や進めようとしている方向性を教育情報誌「大輪」などで積極的に発信いたしております。しかしながら、今の子供達には体格のように伸長しているところと逞しさなど精神面の課題とが混在しているように思います。教育には、いつの時代も変わらず必要な不易の教育と時代に即応して変えなければならない流行の教育がございます。

本区の教育委員は、豊富な経験や見識とともに学校現場などを積極的に視察しながら、実態やニーズの掌握に努めておりますので、今後とも、教育委員会制度の趣旨を活かして、不易と流行を見極め課題解決に向けて一層積極的かつ的確に施策を実践してまいります。

次に、今後の展開でございます。本区の教育の理念や進むべき方向性を示した「台東区教育ビジョン」は平成13年に策定され、10年が経過いたします。この間、先ほどの法令等の改訂はもとより、区の人口動向など社会状況の変化とともに生活習慣や体力低下など子供たちの新たな課題も認識されてまいりました。現在教育委員会では、この間の取り組みの成果と課題について、改めて総括をいたしているところでございます。この総括を踏まえ、来年度は保育部門も含めた新たな「台東区学校教育ビジョン」を策定いたします。

このビジョンでは、環境変化に即応した新たな教育理念と方針などを明らかにして参ります。同時に実施計画である「学びにまち台東区アクションプラン」も改定してまいります。生涯学習につきましては、平成23年3月に改定した「台東区生涯学習推進指針」を基に、今年度中に実施計画の「台東区生涯学習推進プラン」をまとめる予定でございます。

今後とも、この「学びのまち台東区アクションプラン」や「台東区生涯学習推進プラン」にそって積極的に事業を展開し、次代を担う子供たちを逞しく健全に育てるとともに、家庭教育の充実を含め生涯学習の一層の推進に全力で取り組んで前りたいと考えております。

7.  「将来の日本を担う子供たちの育成」についてお伺いいたします

 

人間は、日々生活して行くうえで、一人では生きていけないし、お互い様々な面で物質的・精神的に助け合っていかなければ、社会の持続や進歩は期待できません。

この度の東日本大震災の教訓を受けて、子供や若者たちにも家庭や友人、地域の人々を大切にすることや、ボランティア活動を通して社会に貢献する意義が徐々に浸透しつつあると思います。

しかし、現実に身近な状況を見ると、いぜんとして高齢者をターゲットにした犯罪の増加、社会的弱者に対する配慮やいたわり不足、最近問題になっている、自転車の傍若無人な運転などが後を絶ちません。

また、町の中や乗り物の中で、イヤホンを耳につけ、携帯電話やメールに集中して、わき目も振らないでいる姿をよく見かけますが、その姿は、さながら周囲との関係を自分から一切拒否しているように見えるのは私だけでしょうか。

こうした状況は、核家族化の進行などにより身内の高齢者との接点が少なくなってきたことや、近隣家庭や地域の中での交流が希薄になってきたこと、さらには情報機器の普及により個別・単独的に情報の入手が簡単にできるようになり、人とのナマのコミュニケーションが軽視されてきたことなどが要因だと考えます。

これらに対しては、第一義的には親の責任の中において家庭でしっかり指導、しつけをしていくことが先決であると思いますが、これに加えて、学校や幼稚園・保育園などの現場での教育内容、方法にも影響を受けているように思います。

こうした子供たちの内面にかかわる事項について、区の教育委員会が直接かかわっていくことはなかなか難しいことだと思います。

子供たちの心のじょうせいは、家庭を含む地域全体の意識変革も必要となることであり、時間を要することであります。

区では、平成16年度に「下町台東の美しい心づくり」運動を提唱し、各種事業を展開してきました。この事業は子供たちの社会性・規範意識の育成を目標としており、各地域でも一定の浸透を図られていると思います。

東日本大震災を契機に、おそらく、日本中のどこでも、子供たちの将来と、子供たちが担う未来の日本社会の姿についていろいろな議論が展開されていると思いますが、こどもたちが社会貢献や積極的に社会のかかわることを真剣に考え、意欲やこころざしを持って成長できることが何よりも重要だと思います。

教育委員会としてはこのような状況を踏まえ、子供たちの育成についてどのような理念を持ち、今後どのように教育現場に生かしていくのかをお聞かせください。

教育長答弁

次に、将来の日本を担う子供たちの育成についてでございます。

未来の日本を担う子供たちに、知徳体をバランスよく養い「生きる力」や「社会性の基礎をはぐくむ」ことは、義務教育を担う子供の使命でございます。とりわけ昨今の自己中心でマナーや規範意識の希薄化、犯罪の多発などという現状を鑑みるとき、心の教育は極めて重要かつ緊急な課題であると考えております。

教育委員会といたしましては、区民憲章にも掲げられている「思いやり支えあい」という伝統や文化の精神を生かした心の教育を、子供たちの育成や基本として区を上げて取り組んでいるところでございます。まず、議員ご指摘のとおり、家庭は子供たちにとりまして人格形成が行われる最初に場であり、すべての教育の出発点でございます。現在策定中の台東区生涯学習プランにおきましても、重点的な取り組みのひとつとして位置付け、今後新しい取り組みを含め家庭教育の一層の充実を図ってまいります。

また、「下町台東の美しい心づくり」運動では、まず挨拶運動から始め、小中学校、幼稚園などはもとより、地域の協力を得ながら、区を上げて規範意識やマナーの向上などに取り組んでいるところでございます。更に、子供たちが「世のため人のために私の人生はこうありたい」という夢や目標、すなわちこころざしは、精進努力する克己心や公共心などの源であると考え、「こころざし教育」にも一層積極的に取り組んでいるところでございます。

本年度、ある中学校では、こころざしを立てるという意味の立志式を、入学式や卒業式に準ずる大きな行事として開催いたしました。2年生が将来の夢や目標などのこころざしを、教師や保護者の前で発表したものでございます。ボランティアによる社会貢献や介護職を目指すなど、子供たちの思いに、保護者ともども教育委員会も大きな感銘を受けたところでございます。こころざしを育む取り組みの好例として、この立志式を他校にも紹介し、もってこころざし教育が一層充実するよう期待しております。

今後とも、家庭や地域の方々と連携協力しながら、このような取り組みを通して、将来の日本を担う子供たちの心を育ててまいります。

8.  最後に、保育における行政の役割についてお伺いします

 

「子育てするなら台東区」をスローガンにすえている吉住区長は、平成21年度、保育園、子供クラブなどの所管である児童保育課を教育委員会に移管しました。本来、子育ての両輪であり、不可分であるはずの保育と教育の一体的推進に向けて、組織的に、いち早く改変を行い、現在すでに3つめのこども園開設にも取り組んでいます。

子育てについてはその両親、家族だけでなく、居住している地域全体で取り組むべきであります。

本区は、そうした住民気質や伝統的な行事、生活環境に恵まれていると、私は思っています。

一方で保育園の入園希望者は増加の一途をたどっています。

国が公表している自治体ごとの保育所入園待機児童数は、本区では、毎年、都内で少ないほうから1,2番という上位に位置しています。

教育委員会に移管後、認可保育園1園、区立保育室1園、認証保育所誘致3園、認定こども園1園などを開設し、引き続き拡充を図っていることが、かろうじて待機児の急増を抑える結果になっていると思われます。

待機児の問題については、入園のキャパシティを拡大しても、翌年はそれ以上に入園希望者が殺到する状況であり、このままではいつまでたっても待機児ゼロは難しいのが現実ではないでしょうか。

それは、我が国の人口動向で子供数が減少傾向のあることは間違いないのですが、今後も夫婦共働きや高齢者の介護、深夜の勤務などにより、保育需要は増加の一途をたどっていくことが背景にあると思います。

同時に、保育入所の要件である「保育に欠ける」という状況が、保護者の主観に負うところが大きいのです。そのため、入園に必要な状況を示すポイント点数が明らかに不足している世帯であっても、入園が、かなわなかった保護者にとって大きな不満を感じてしまうのではないかと想像されます。

区では、通常の保育園のほか、休日保育や一時保育、いっとき保育、病後児保育などを実施しており、利用ひんどの少ないものも含めて、すでに、保育に関する要望のかなりの部分を担っていると思います。

こうした事業を、要望する側の事情は充分理解できますが、一方ではこのままでは、幼児の保育のすべてを行政が担うべきであるという、認識が広がっていくのではないでしょうか。

保育に関する区民の要望はこれからも増え続けていくでしょうし、個々の要望に応えていくには、施設整備はもちろんのこと、たずさわる人的配置も必要になり、財政負担も限りなく増えていきます。

区は、区民の要望が多いいからといって、今後も行政は、えいえいと、保育施設づくりを続けていくことになるのでしょうか。私は、常に申しあげていますが、行政の守備範囲を明確にする中で、「保育の守備範囲」も明確にし、区民の理解を求めるべきだと思いますが、保育環境の整備について行政の役割の線引きを行うことができるのか、保育需要に対応する教育長のお考えをお聞かせください。

教育長答弁

次に、保育における行政の役割についてのご質問にお答えさせていただきます。

教育委員会では、区民が安心して子育てができるよう、施設整備を含めた総合的な対策を進めております。その中で認証保育所の誘致や家庭福祉員の活用など、民間事業者の様々な制度も活用しながら、効率的効果的な待機児ゼロに向けた施設整備をしてまいりました。

しかし、就学前児童人口の増加や共働き世帯の一層の増加などから、近年は待機児童が毎年50人弱発生いたしております。

議員ご指摘のように、今後とも増大する保育ニーズに的確に応えていくためには、多大な人的措置や財政負担が伴います。将来にわたり着実かつ安定して保育所など施設を整備・提供していくためにも、今から財源確保、民間事業者との役割分担や諸制度の活用などについて検討していくことが大変重要であると認識しております。

現在、国において、子育て支援の新たな仕組みとして「こども・子育て新システム」が検討されております。先般、幼稚園、保育園、こども園を統合した「総合こども園」を就学前の教育・保育施設の中核とする最終案が示されたところでございます。新システムでは保育サービスへの多様な民間事業者の参入も想定されておりますので、本区が設置いたしました「就学前・教育保育のあり方検討会」の中でこの内容も加味しながら施設整備の方向性や行政の役割について鋭意検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。