決算特別委員会基本質問    
                   
 

決算特別委員会基本質問(木下えつき)

  • 今決算の分析結果の認識について

今決算の監査委員の会計決算審査意見書によると、経常収支比率は79,4%で適正水準である70〜80%の中に入っており、財政の硬直性を表す公債費比率も8,9%と健全範囲にあり、実質収支比率も3,8%で、昨年より0,2ポイント増加したが一般的に適正といわれる3〜5%の範囲で維持して、健全な財政運営が図られていると報告されています。また、16年度行政コスト計算書からも、行政コスト収支比較で、行政コストの総額を715億円とし、収入総額は745億円で、これに正味資産国庫(東京都)支出金償却額、約6億円を加えた「差し引き一般財源増加額」(これは、民間企業でいう当期純利益に相当するといわれているものです。)が、約36億円の黒字になっており、台東区の財政の健全化を示しています。この要因は、平成16年度の予算編成で、「財政健全推進計画」を着実に推進するとともに、事務事業や管理的経費及び委託業務を見直し、受益者負担の適正化や区有財産の活用などを徹底的にはかった成果と位置づけています。そして、今回企画総務委員会で報告のあった「財政健全推進計画」の決算による総括では、16年度までの財政効果による財源確保額は、455億2,500万円になり、計画目標額の113,9%の達成率と報告されました。また、新しい施策展開においては、真に必要な事業に積極的に予算を配分し、「賑わいと元気なまち、台東区」の実現を目指し、「来街者がにぎわうまち」「子供たちの笑顔が似合う町」「元気な声が響くまち」の三つの柱の施策を積極的に展開し、台東区の基本構想や長期総合計画を策定し、吉住区政の標榜する「18万区民構想」実現のために突き進んでいると高らかにうたわれています。

その反面、不安材料として、景気の低迷と、主な財源である特別区税の減少、国の三位一体改革における削減をあげ、あたかも、景気状況による自然発生的要素のようにとらえています。

今決算を、我が会派区民クラブで分析した結果、基金の取り崩しと、特別区債発行において、予算編成を行っている状況であり、「財政健全推進計画」においても、行財政改革の意識啓発という側面をのぞけば、凍結事業の先延ばしと人件費の削減においてなしえていると言っても過言ではないと思います。そのような要因から見ると、平成12年度の「財政健全推進計画」を策定した時点と、区財政の基本的な構造は変わっていないと思いますが、区長の認識をお聞かせください。

区長答弁

  • 財政健全推進計画の着実な推進により、健全な財政 運営が維持できた。
  • また、委員にご質問いただいたとおり、財政健全推 進計画において、人件費の削減効果は大きかった。
  • 一方で、主要一般財源である特別区税の歳入総額に 占める割合は2割程度のままで、ほとんど変化して いない。
  • 今後とも健全財政を維持するため努力することが  重要であると考えており、「行政経営推進プラン」を策定した。
  • このプランについては、職層別に説明会を実施する など、職員一人ひとりに、その趣旨の徹底を図っているところである。今後とも、あらゆる機会をとらえて、意識の浸透を図っていく。

 

  • 人件費について

今回、財政健全推進計画の内部努力の、主な要因である、人件費についての見解を区長にお尋ねします。財政健全推進計画が始まった、平成12年度の人件費上の職員数は、管理職74人、一般職1,709人、再雇用職員113人、臨時職員は年間延べで2,327人でした。平成16年では、管理職73人、一般職1,528人、再雇用職員113人、再任用職41人、臨時職員3,972人となっています。この年度から清掃職員の区移管がありましたが、清掃職員を含まない給料と職員手当て等の人件費で見ると、平成12年度は、約146億3614万円でした。16年度決算では、約129億5733万円で、職員の削減数では182人の減であり、金額では約16億8181万円の減になっています。では、この職員の減を何で補っているかを見ますと、コンサルティング業務を主とした調査委託や、再任用・再雇用、非常勤、臨時職員等々だと思われます。

このような状況について私たちは、人間で言えば足腰の腰の部分は大丈夫だけれど肝心な足が弱ってきていると判断しています。そのために、自分の足で情報を集めないで、人の情報を聞いて判断をするという、組織においては、衰退傾向の状況に陥り始めたと心配しますが区長の見解をお聞かせください。

区長答弁

  • 財政健全推進計画に基づき取り組んできた結果、大きな成果を挙げてきた。
  • 人員削減については、始めに削減ありきではなく、委員ご指摘のとおり、公務員でなくてもできるものについて積極的に業務委託を行っている。
  • 一方で組織の簡素・効率化を図りつつ、介護予防や危機管理、文化等の部門への増員を図りながら、人員配置の適正化に取り組んでいる。
  • 今後も定員管理の適正化に努めながら、絶えず研修等を通じて職員の資質の向上を図り、情報収集を始め区民の意識に即した事業展開ができるよう、職員の配置に十分配慮する。

 

  • 財政健全推進計画による職員カットにより生じた組織のひずみについて

新しい事業展開により行政需要が拡大している現状では、必要なところに必要な人材の確保が不可欠であります。

その人材を、育てていくのも、組織を動かすには重要な課題です。その部分が、財政の健全化を推し進めていく中で行われた職員削減において、人材育成や年齢構成上のひずみとして出始めているのではないかと考えますが、区長の認識はいかがでしょうか。

区長答弁

  • 財政健全推進計画期間中においても、年齢構成にひずみが生じることのないよう、極端な採用抑制は行わず、職員の新陳代謝を促しながら新規採用を継続し、必要な人材を確保してきた。
  • 職員採用、退職者の状況については、その年度により人数が異なっている。
  • その結果として、年齢構成上バランスを欠いている年代もあり、将来の課題と認識している。
  • しかし、人員削減等により住民サービスに支障を来たさないよう、職員個々の資質や能力の向上に重点を置いた人材育成に取り組んでいる。

今後も、新たな行政需要に的確に対応していくため、必要な人材の確保と育成、適正な年齢構成の維持に努める。

 

  • これからの行政運営の取り組みについて

義務的経費の内訳を見ると、扶助費が集計方法の変更による増があるとはいえ、前年度と比べて約21億円の増と大きな伸びを示しています。(生活保護費では10億円以上の伸びとなっています。)区支出の約57%を占める、義務的経費の中で、人件費の削減は限界に来ていると判断しています。その一方で、扶助費がこれからも伸びていくことは避けられません。このような状況下で、新たに作成された基本構想や長期総合計画を着実に遂行していくにはどのような認識に立って、行財政運営に取り組んでいくのか区長の姿勢をお示しください。

区長答弁

  • 区民サービスの向上のためには、常に広い視野に立って区の施策全体を検証し、より必要性の高い事業に予算の配分を行うことが重要である。
  • 全庁を挙げて、長期総合計画及び行政計画を着実に実行する。その際、事業の成果や激変する時代を的確にとらえながら、弾力的な運用にも努めていく。
  • また、行政経営推進プランに基づき、施策評価や事務事業評価を実施し、計画の効果的・効率的な執行を図っていく。
  • 計画実行における不断の努力によって、基本構想の将来像「にぎわい いきいき したまち台東」の実現に全力を注ぐ。 

 

  • 区民を巻き込んだ行政の守備範囲についての論理展開に取り組む姿勢について

先に述べたように、義務的経費の削減が困難な状況化に入っていくと、区の財源を維持し区民の行政サービスを低下させずに行政運営を行うとするならば、景気回復による税収アップを願うか、増税による税収アップを行うしかありません。

それ以外の方法をとるとしたら、「財政健全推進計画」で象徴される行財政改革をさらに行わなくてはなりません。

しかし、先ほども述べたような状況では、内部努力だけでは、もう限界であり、区民に痛みを伴う行財政改革に陥ります。そこで、官が行う仕事、民が行う仕事を、区民に理解していただくためにも、行政と議会そして区民を巻き込んで、行政の守備範囲についての、論理展開を行わなければならない時期に来ていると思いますが、区長の見解をお示しください。

区長答弁

  • 行政の守備範囲については、これまでも、社会経済状況の変化にあわせて、事業執行に当たっては、十分に留意してきた。
  • 財政健全推進計画においても、行政の担うべき分野に留意しながら、区民サービスの向上と経費の削減が図れるものについては、可能な限り、民間への委託を推進してきた。
  • また、様々な局面において、区民の参加機会を拡大するとともに、区民、民間団体、企業などとのパートナーシップを強化する取組みも推進してきた。
  • 民間事業者の自主的な活動を、区が適切に支援していくことも必要であると考える。

今後とも、社会経済状況の変化にあわせて、様々な課題にきめ細かく、より効率的に対応するため、議会や区民の皆様とご相談しながら、積極的に協働を推進していく。

 

  • 決算委員会に取り組む区長の姿勢について

今回の、基本質問は、「財政健全推進計画」において生じた、ひずみの部分と、新たに起こる行政需要、特に、リバーサイドスポーツセンターに代表されるハード面の補修や建て替えを、今決算で明らかにして、これからの区政運営において、そのひずみ等の部分を解消し、基本構想にのっとった長期総合計画の実現のために進んでまいりたいと考えます。その為には、行政の守備範囲については、次の予算審議にも連動して、区民を巻き込んだ論議ができればいいと考えていますが、最後に区長の今決算委員会に対しての姿勢をお聞かせください。

区長答弁

  • これまで、財政健全推進計画を着実に推進してきたが、厳しい社会経済状況のなか、健全な財政の維持と行政サービスの向上は、ひきつづき重要な課題として取り組んでいく。
  • 基本構想の将来像「にぎわい いきいき したまち台東」をめざしていくためにも、決算特別委員会では、十分なご議論とご意見・ご提案をいただき、18年度の予算編成や今後の施策展開に活かしていきたい。